社会貢献活動

2011.09.18(日)「ふれあいサッカーキャラバン」東松島市立小野小学校

 午後の会場である小野小学校は、津波の大被害を受けた浜市小学校と合併して被災後のスタートをきった学校だ。宮城県内では東松島市は津波による浸水面積が一番多く、亡くなった人数は1000人以上。約9割の浜市小の児童たちが自宅損壊にあっており、両校合わせて数人の児童が被災で亡くなっている。幸いなのはハード面の被害が軽度であったこと。被害はグラウンドに海水が浸水した程度で、校舎への目立った被害は見当たらない。

 そうした被災状況を目の辺りにする中、宮城県東松島市教育委員会・生涯学習課・スポーツ振興班長の斎藤さんは「仮設住宅で暮らしている児童がいる中で今回のキャラバンに期待していることはスポーツの力で笑顔になってもらうこと」だと話している。子供たちが外で遊ぶ当たり前の光景を日常化すべく、今回のキャラバンは開催を迎えたのだ。

 参加した小学校は小野小学校と宮市小学校の児童たちと、東松島サッカースポーツ少年団 NARUNO FCの児童たち。

 キャラバンが始まり、ウオーミングアップを終え、ドリブルやシュートといった各グループでの練習が始まる。選手たちとの試合を終えた児童たちから挙がる声は「サッカーをもっと楽しめるように、もっと練習してうまくなりたい」といった言葉ばかり。放課後になり、スクールバスを待っている間にクラブ外の子供たちと一緒になってサッカーをやっている子供たちらしい言葉は、サッカーを楽しんでプロを目指してほしいといった選手たちのエールを肌で感じ、受け取っての声であったように思える。

 「まだ小学生の子供たちには楽しくやってもらうことが一番だと思っていましたから、今日はサッカーの楽しさを伝えられればと思って参加しました。学年問わず元気な子供たちが多くて、何よりもサッカーを楽しくやっていたので自分も楽しめた1日でした(平岡)」
「選手と触れ合う機会を心から楽しんでほしかったので、笑顔が見れて本当によかった。子供たちに伝えたいのは純粋にサッカーを楽しんでもらいたい、それだけです(永井)」

 児童たちから「もっと練習したい」といった真っすぐな声が挙がる背景の中には、時間の経過とプロサッカー選手たちとの出会いが大きかったそうだ。「仮設住宅にいる子供たちもいますし、他の地域に転校していった子供もいます。練習場は流されて今ではがれき置き場になっている」と、チームをめぐる現状を話すNARUNO FCコーチの大槻さん。練習場であった鳴瀬第二中学校は津波で被災し、現在は練習場所を探しては借りるといった状況で、時には野球場で練習することもある。家族を亡くした児童・自宅が流された家庭がいる現状の中、被災後の子供たちの変化をもう一人のコーチである木村さんは感じている。

 「東松島市のサッカー協会から声をかけていただいて、チームみんなで東京でのホームステイを経験させていただきました。夏休みはどこにも行けない状況でしたから、朝の5時に出発したのに誰もバスの中で寝ていませんでした。他の地域の方々との触れ合いも被災してからの子供たちの貴重な経験です。すごく全国の方々から勇気をもらっていることを絆として感じます。ゆくゆくは東松島に来ていただいたり、何かしら交流がしていければと思っています」

 なくしたものは大きかったが、震災を通じた出会いを数多く経験したチームには、全国から練習用具をはじめとした多くの支援物資が届いている。そんなチームの目標は「子供がやりたいから、親がやらせてあげる環境を作っていきたい」と、多くの子供たちがサッカーに取り組める環境整備の一環を担えればと考えているそうだ。

 地域に限った環境整備問題の中には、中学校にサッカー部がないこともある。指導者の人数といったソフト面をはじめ練習場所のハード面など、さまざまな問題で中学のサッカー部がないという。そうした状況の中、被災を通した一筋の光も現場にはある。

 NARUNO FCの練習場であった鳴瀬第二中学校は、鳴瀬第一中学校に合併。2校が1校になったことで時間と練習場所の問題がクリアになる可能性も生まれてきた。この先どうなるか全く分からないものの、この合併を機にサッカー部が出来てくれれば……。

 そんな願いを現場は描いている。被災が起きたピンチを「スポーツが盛んな街にしていきたい」といったチャンスに変えることもできるはずだ。被災の中で起きる小さな変化は、未来の大きな変化へと確かにつながっているのだから。


快速で子供たちを引っ張る永井選手

リフティングのコツを教える田中選手

GKはなんと!三門選手

ハイタッチで子供たちと喜ぶ平岡選手

巧みなドリブルで子供たちをかわす富永コーチ

最後は、集合写真!
名称ふれあいサッカーキャラバン“サッカーの力で日本を元気に!”
主催一般社団法人 日本プロサッカー選手会
支援活動パートナージブラルタ生命保険株式会社
ゼビオ株式会社
協力東松島市立小野小学校
開催日時2011年9月18日(日)13:30~
コーチ(OB)富永英明(P.S.T.C. LONDRINAコーチ)
現役選手(4名)三門雄大(アルビレックス新潟)
田中亜土夢(アルビレックス新潟)
永井雄一郎(清水エスパルス)
平岡康裕(清水エスパルス)

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