社会貢献活動

2011.09.18(日)「ふれあいサッカーキャラバン」東松島市立矢本東小学校

 震災から約6カ月が経過した2011年9月18日。第5回「ふれあいサッカーキャラバン」が、宮城県東松島市にある矢本東小学校で行われた。

 今回のメンバーはアルビレックス新潟から三門雄大と田中亜土夢、清水エスパルスから永井雄一郎と平岡康裕のJリーガーたち。子供たちを指導するコーチ役としてJFLブラウブリッツ秋田でコーチ経験のある富永英明が参加した。

 5名が午前中に向かった矢本東小は、海岸線から約2キロほどの距離に位置する小学校ながらも津波がこなかった地域。周辺の立地よりも高い場所に運よく学校があったから……。それが津波の被害から免れた理由である。

 「校舎は無事でしたが、亡くなった児童は2人います。ここまで児童たちの中には緊張感がありましたし、保護者も同じです。子供に手をかける余裕もなく、復旧・復興に精いっぱいだった。今やっと自分のことが考えられるようになってきましたが、一方では、これからさまざまな問題が出てくるのではないかとも思っています(矢本東小学校・工藤校長)」

 懸念しているのはストレスによるメンタルダウンだという。被災が原因で家庭環境にさまざまな変化があった子供たち。いろんな人が家に来て泊まったり、他の人の家に行ったり、避難所で過ごしたり……。緊張感で何とか乗り切っていた糸が切れてしまうのではないか、溜まっていた不満が爆発するのではないか?といった懸念だ。

 6カ月が経過したとはいえ、今なお仮設住宅から学校に通う児童たちのメンタルを思うと、まだまだ解決までに時間のかかる問題だ。さまざまなストレスが出ることを想定しているからこそ、キャラバンにも期待がかかる。「学校が避難所になった被災後に、高学年の児童が中心になって、工夫してできる宝探しなどのゲームをみんなでやりたいので教室を貸してくださいと言ってきたことがありました。それを聞いた時、すごくうれしくて、驚きました。何かをやりたいという子供はエネルギーのある人に成長していくと思います。今回のサッカーもそうです。サッカーというのはルールの中でやりますから、子供たちだけでは行えない遊びであると思っています。ルールの中でエネルギーの発散ができる。その楽しさを十分に味わって、今日は楽しんでほしいです」

 そうした期待の中で集まった参加者は矢本東小学校の児童たちと東松島サッカースポーツ少年団矢本FCの児童たち。

 キャラバンがスタートすると、選手たちと手をつないで輪になって、コーチの掛け声に合わせて前後左右にみんなでジャンプ。各チームで行った準備運動の後はボールを使ったリレーで各チームが選手たちと触れ合う。最後は選手がフリーマンで参加した試合の始まり。児童たちの休憩も兼ねたリフティングショーなど、プロ選手の技に子供たちの大歓声も時折混じりながら進んだ今回のプログラムであった。

 そんなプログラムを富永コーチは「手をつないでひとつの輪になることで、チームで行動する大切さや一緒に協力する大切さを言葉でなくても伝えられればと思って内容は考えました」と振り返る。動きで楽しさを伝えるといった意図は児童たちにも伝わったようだ。

 「プロと一緒にサッカーして写真を撮ったことは一生の思い出になった(あつみ・4年生)」と、控えめに感想を話してくれた彼はきっかけを探していたそう。彼の保護者は「ずっとサッカーを始めるきっかけ、スポーツ少年団を始めるきっかけが欲しかったみたいなんです。今回のサッカー教室は本人にとってターニングポイントになると思います。サッカーを始めるきっかけに選手たちが関わったということになればなおさらです」と、サッカーを始めることに対して、しっかりと考えるきっかけになった様子。何かをはじめる力の源こそ、サッカーを通して元気を送っていた選手たちの成せる技である。

 「今日は自分のリフティングや技を見せて子供たちには驚いてもらいたかったし、喜んでもらいたかった。それが少しの時間ではありましたけど、できて本当によかったです(田中)」
 「今日一番見たかったのは、子供たちの笑顔。もちろん、サッカーが好きになってほしいという気持ちもありましたけど、みんなの笑顔が見られて有意義な時間でした(三門)」

 憧れという名の目標や理想を持つこと、一流に接する経験というのは子供たちの今後の成長を大きく左右するものだ。Jリーガーが引き出せる子供たちの笑顔は、プロという存在があってこそできるともいえる。憧れを心に残すことは簡単なことではないが、選手たちが最高のパフォーマンスを見せて子供たちの憧れとなったように、大人たちが最高のパフォーマンスを見せる時間や機会が地域の中には求められているのかもしれない。


富永コーチから開会のあいさつ

得意の快速ドリブルで子供たちを抜き去る永井選手

子供たちにリフティングを披露する田中選手

子供たちと手をつなぎ笑顔の絶えない平岡選手

子供たちに大人気の三門選手

最後は、集合写真!
名称ふれあいサッカーキャラバン“サッカーの力で日本を元気に!”
主催一般社団法人 日本プロサッカー選手会
支援活動パートナージブラルタ生命保険株式会社
ゼビオ株式会社
協力東松島市立矢本東小学校
開催日時2011年9月18日(日)10:30~
コーチ(OB)富永英明(P.S.T.C. LONDRINAコーチ)
現役選手(4名)三門雄大(アルビレックス新潟)
田中亜土夢(アルビレックス新潟)
永井雄一郎(清水エスパルス)
平岡康裕(清水エスパルス)

支援活動パートナー

カテゴリ

アーカイブ

2019
  • 1月
  • 2月
  • 3月
  • 4月
  • 5月
  • 6月
  • 7月
  • 8月
  • 9月
  • 10月
  • 11月
  • 12月
2018
2017
2016
2015
2014
2013
2012
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
  • 1月
  • 2月
  • 3月
  • 4月
  • 5月
  • 6月
  • 7月
  • 8月
  • 9月
  • 10月
  • 11月
  • 12月