社会貢献活動

2011.12.11(日)「ふれあいサッカーキャラバン」千葉県旭市スポーツの森公園【後編】

選手たちが子供たちと楽しく触れ合う今日の光景や震災後の復興活動を見ている地域の人たちの中には、地域と一緒になって何かしたいといった気持ちも生まれている。そのひとつがジュニア育成である。「何か連携が図れれば」といった声が参加コーチ陣から挙がる中、元Jリーガーの鈴木和裕(スポーツアカデミーコーチ)も期待をしている一人だ。

「自分が子供の頃にはJのチームとの連携ができるような環境でもありませんでしたから、ある意味では今は恵まれていますよね。ただ、千葉県にはジェフ千葉と柏レイソルがあるとはいえ、県内にはまだまだサッカーが普及していない地域もあります。自分が旭市で活動している理由も、旭市がそうした地域のひとつだからといったこともあるんです」

スポーツアカデミーは今日参加しているサッカーチーム以外にも、バスケットボールやバレーボールのチーム活動をはじめ、部活動支援やサッカー普及の一環としてサッカー教室を行っているNPO法人。そのスタッフである鈴木コーチが今取り組んでいることこそ、ジュニア育成の部分、中学生年代のスポーツ環境を整えることである。


「小学校の高学年のサッカー人口が増えてきて、大会も増えてきて、小学生世代の活動が市内で盛んになってきています。その熱を次の年代までつなげる環境を作って、旭市の中学校チームが少ないといった現状を少しずつ変えていきたいです。問題となっているのは練習場。中学生の指導にはナイター設備が必要になってきたりしますから。ただ、やる場所があればやる子はいるんです。中学校になったら違う競技をやる子供たちもいるので、サッカーにしっかりと取り組めるような環境がつくっていけたらと思います」
そうした現状もあり、スポーツアカデミーでは、2012年の春を目標にジュニアユースを設立のために活動している。


“復興支援を通じたジュニア育成”。言葉にすると大げさに聞こえるかもしれないが、選手たちと触れ合う機会が増える中での確かな変化を、飯岡FCの田向監督は感じているそうだ。
「5月の連休にジェフの練習場に招待されたことがありまして、その時にジェフのジュニアユースの練習にぜひ参加してほしいといった声をかけていただいた子供がいました。これも復興支援の一環でジェフの選手たちと今回のように触れ合う機会があったから生まれた話です。もともと旭市はサッカー不毛の地でしたから、中学生の部活動が少ないといった現状もあります。ジェフと一緒に何かできる機会があれば今後も協力していきたい」


選手たちのアクションは必ず何かに繋がるもので、ジュニアユースへの誘いが発生した事実は地域の子供たちへの励みに繋がっている。特に小学生の子供たちの可能性というのは未知数だ。今日のように大勢の選手たちと一緒になって大人数でサッカーをする機会というのは、子供たちだけでなく保護者の方々にもサッカーのよさを改めて見直す機会にもなっているとのこと。今までの練習場には仮設住宅が建設され、練習場を転々としている飯岡FCだが「子供がいてくれるから指導できるのだから、もっと子供たちをみていかなければ」といった意識を強く再認識したそうだ。では、子供たちはというと……。


「プロと一緒に試合したことはずっと忘れない。岡本選手、深井選手とプレーできて、将来はジェフに入りたい(ゆう・6年生)」
「グッピー(岡本選手)が凄く面白くて、ジェフの試合をみにいきたくなった。もっとサッカーが上手くなるように頑張ります(たつや・6年生)」


「震災があったから地元のジェフの選手たちと触れ合えたことを子供たちも忘れないと思います」と、保護者たちもジェフ千葉の存在を身近に感じている。もちろん、プロ選手だけじゃない。千葉県内を中心に復興活動をしている式田コーチは「自分が選手の時にできなかったことを、子供たちに伝えることを自分のモットーとしながら活動している」と話している。

「旭市の被災場所をみて、予想以上に被害が大きいことを肌で感じました。同じ千葉に住んでいる自分ができることは何かということを凄く考えさせられましたし、少しでも子供たちの力になれたら、という意識で活動しています。自分のクラブの子供たちに被災している人たちの苦しさや現実をしっかりと伝えることも自分の役目だと思っていますから、被災を知らない子供たちにも現実を知ってもらいながら、力強く成長していってほしいです」

大声で声を出して、全力で子供たちのコーチングをしていた式田コーチは「めちゃくちゃ楽しかったです」と、今日のイベントが子供たちの夢を強くするきっかけになることを願い、選手たちも今日のサッカーを通じで何かを感じてくれることを願っている。


「子供たちは明るく楽しくサッカーをやっていて、僕たちよりも全然元気がありましたね(笑)。今日は少しでも上手くなって帰ってほしかったですから、自分なりに技術を少しでも魅せるように意識しました。子供たちなりに何かを感じてくれれば嬉しいです(村井選手)」


「子供たちとふざけあったりしながらも一緒に試合をする中で、しっかりサッカーをすることができたので、凄く嬉しかったです。みんな元気で、自分も元気をもらえましたし、指導者の方や保護者の方たちも喜んでくれたことも嬉しかったです。逆に言えば、そういうことしかできませんよね。子供たちが楽しくやってくれると僕らも惹きつけられますから、一緒に楽しみながら何かできることがあればやっていきたいと思います(茶野選手)」


「被災を経験した子供たちがいる中で、子供たちはまったくそういうのを見せないですし、そういうところが凄いなと思いました。僕らと一緒にサッカーをすることで、子供たちは自分なりに何かを感じると思うんです。何でもいいので、何かを感じでもらえたら嬉しいですよね。プロになりたいとか、あのプレーを真似したいとか、子供たちの中に感じたことがあれば、今日のサッカー教室をやった意味があるのかなって思います(山口選手)」


「何も大それたことができるとは思えないけれども、被災して辛い経験をしている子供たちがいれば、少しでも元気になるきっかけを作っていきたい。それが自分たちにできることだと思います。サッカー人としてプロスポーツ選手として、サッカーを通じて元気や勇気を与えられるように、僕らはもっともっと輝かなければいけませんよね、子供たちに楽しみを与えられる存在であり続けるためにも。子供たちは凄く純粋だから、深い悲しみの中にあっても立ち直る力も強いと思う。そういう強い子供たちが将来きっと、サッカー界だけじゃなくて活躍すると思う。子供たちや保護者の方が楽しんでくれることは僕たちの刺激にもなります。こういう触れ合いの機会があることを僕たちも嬉しく思うし、限られた時間の中で、お互いが刺激を与えながら今後も続けていきたい。やっぱり1回、2回やっただけでは何かが変わることもないと思いますから、継続的に続けていきたいと思っています(藤田選手)」


今日サッカーをやったことで何かが変わる、それは子供たちだけの話でもない。
被災した飯岡地区にある三川小学校の小林校長は、「学校でも自分だけじゃあないんだよって、子供たちにはよく言うんです。みんなのことを考えると少し自分が我慢する部分が出てくると思うんですけど、本当の楽しさって、そうやって作っていくものですよね。今日は遊びの中でそれを実践していただいて、本当に感謝しています。子供たちだけでなく、こういう機会を待っている方たちは多いと思いますから今後も続けてほしい」と、今日サッカーをやった意味を実感していた。

千葉県でジュニア育成に携わっている式田コーチも「良い育成の近道は、技術以外の部分を取り入れるところにあるのでは」と、違ったアプローチの必要性を感じている。育成のためには市や街が練習場を提供することも一方では必要だが、子供たちの中に場所を借りている街への感謝の気持ちを育むことも一方では必要。環境への感謝の気持ちを育んでいくことも、サッカーを通じた育成のひとつ。クラブと地域、選手と子供たちが復興支援の触れ合いの中で育んでいけることは多くある。それら一つ一つに意味があるのだ。


子ども達と手をつなぎアップをする岡本選手

パスの指導をする山口選手

高い技術で子どもたちを圧倒する村井選手

高速ドリブルで子どもを抜き去る深井選手

 

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