社会貢献活動

2014.12.26(金)チャリティーサッカー2014 ふれあい活動“グリーティングDAY”in 石巻


「このあたりは行政区としては最も大きな被害が出てしまった場所の一つです」。被災地バス視察の案内役を務めた石巻サッカー協会・本郷栄一理事長が石巻市の沿岸地域で説明を始めると、選手を乗せたバスの車内は静まり返った。住宅の基礎部分だけが点々と残された広大な敷地の先には、焼け焦げた姿のまま存在する小学校の建物。選手たちはバスの車窓から真剣なまなざしでその光景を眺めていた。関係者によると、この地区だけで2000人以上が被災して亡くなったという。そして今も多くの方々が仮設住宅で暮らす。

震災から約3年半が経過した今でも悲しい現状が残る石巻市。その悲しき光景を目の当たりにした西川周作選手は「石巻に来たのは初めてでしたが、言葉が出ませんでした。震災から3年以上が経っていますが、まだまだ復興が進んでいないという現実を知ることができました」と静かに話した。2年前に続き2度目の視察という鈴木大輔選手は「ガレキこそなくなっていましたが、まだ何も終わっていないという印象を受けました。このことを忘れてはいけないと思います」と口を結んだ。

チャリティーマッチ前日、12月13日(土)に東北地方4カ所で行われた「JPFAチャリティーサッカー2014 ふれあい活動“グリーディングDAY”」。石巻市での活動に参加したのは、西川周作選手(浦和)、鈴木大輔選手(柏)、松本翔選手(横浜FM)、水野晃樹選手(甲府)、舞行龍ジェームズ選手(新潟)、菅和範選手、鈴木隆雅選手、岡根直哉選手(以上栃木)、山口慶選手、井出遥也選手(以上千葉)、我那覇和樹選手、石井健太選手(以上讃岐)、近藤貫太選手(愛媛)、風間宏矢選手(大分)、フェルナンジーニョ選手、岡本達也選手(以上鳥取)の16人と、コーチとして財前宣之さん、チャリティーマッチでは東北ドリームスの監督を務める手倉森浩さん。仙台駅を出発したバスは、被害の大きかった石巻市での被災地視察を経て、石巻フットボール場へと到着した。被災地の現実を自身の目で確認し、その胸に受け止めた選手たちは、約150人の子どもたちが待つグラウンドへと飛び出していった。

手倉森浩コーチ、財前宣之コーチの進行の下で始まったサッカー教室。選手と子どもたちが心を通わせるのに時間はかからなかった。サッカーという共通言語によって一つになった選手と子どもたちは、ボールを通じて会話をかわした。「YEAH BOI!」(よっしゃ!)という英語を子どもたちに伝授し人気者となった舞行龍ジェームズ選手は「自分の故郷ニュージーランドでも東日本大震災と同じ時期に大地震があり、多くの人たちが命を落としました。被災地の復興には時間がかかると思いますが、自分でできることをやっていきたいと思い、参加させてもらいました」と、チャリティー活動に参加した理由を話した。

選手たちは子どもたちとの時間を楽しむかのようにボールを追い、子どもたちとふれあった。西川周作選手は保護者からのサインにも気軽に応じて、子どもたちだけではなく大人も魅了。ピッチ、スタンドの垣根を越えた交流を図った。約2時間にわたって実施されたふれあい活動は、笑顔あふれる中で幕を閉じた。終了後、選手全員のサインが書かれた色紙をプレゼントされ子どもたちは、選手たちとの別れを惜しみながらも元気いっぱいに感謝を伝えた。

子どもたちと一緒に汗を流した山口慶選手(選手会副会長)は「子どもたちに元気になってほしいという気持ちで石巻へ来ましたが、彼らの笑顔を見て逆に僕らも力をもらいました。現地では心の傷を負った子どもも少なくないと聞いています。サッカー選手として心のフォローの部分でできることがあるのであれば、これからも喜んで協力したいと思います。そして選手会として復興支援を継続してやっていかなければいけないと考えています」と語った。選手たちは石巻で見た光景や感じたことを、それぞれのホームタウンで発信していく役割を担う。

≪ふれあい活動後の選手コメント≫
◆西川周作選手(浦和)
「2011年に震災が起こってから被災地へ来るのは今回が始めてでした。(視察では)石巻の光景を目の当たりにして復興がまだ進んでいない状況や、多くの人が仮設住宅で生活している現状を知ることができました。そんな中、多くの人たちがサッカー教室へ来てくれて『西川周作』に声を掛けてくれたことが本当にうれしかったですし力を与えてもらいました。子どもたちの目標になる存在にならなければいけないと思いました。これからも自分ができることをやっていきたいと思います。このような機会を与えてもらって本当にありがたく感じています」

◆鈴木大輔選手(柏)
「2年前に被災地へ来たときは町中にガレキが残っていたので、その時と比較すればガレキのない分、イメージは変わりました。でも、住宅の基礎だけが残っている状況を見て、まだ何も終わっていないと感じました。震災から3年が経過していますが、決して忘れてはいけないと思います。今日、子どもたちと一緒にサッカーをすることで自分自身も元気や勇気をもらいました。シーズン中はなかなかここまで来られませんが、サッカー選手としてこういう活動を継続してやっていかなければいけないと思いました。今後も復興支援活動に参加していきたいと思います」

◆松本翔選手(横浜FM)
「チャリティーサッカーには昨年も参加させてもらいましたが、先輩たちの活動を見て今年もぜひ参加したいと思いました。マリノスでも復興支援活動に取り組んでいて被災地にも来ましたが、町の景色はなかなか変わらず、復興が進んでいない現実を知らされました。ニュースでは見ますが、やはり現実は違います。今日は子どもたちと一緒にサッカーをしましたが、子どもたちから逆に元気をもらいました。サッカー選手として、今後も復興支援活動を続けていきたいと思っています」

◆水野晃樹選手(甲府)
「これまでチャリティーサッカーには参加できていなかったので、いつも何かサポートをしたいと考えていました。今回、津波の被害を受けた地域を見せてもらってショックを受けましたし、さらに何かをしなければいけないと感じました。ふれあい活動では子どもたちと一緒にサッカーをして、みんなの笑顔が見られたこともうれしかったです。子どもたちに勇気や元気が届けられれば、サッカー選手として幸せです。今回、サッカーの力を改めて感じることができました」

◆舞行龍ジェームズ選手(新潟)
「JFLの長崎時代に1度東北に来たことがありましたが、今回再び来てみて、今でも被災地は大変な状況であるということがわかりました。今回、子どもたちと一緒にサッカーをすることで少しでも力になりたかった。故郷のニュージーランドでも大きな地震があったので、自分でも何かできることがあれば協力したいと思っていました。ニュージーランドでも建物が壊れたままのところもありますし、復興には長い時間がかかります。今後も自分の身の周りで小さなことでも復興活動に取り組みたいと思っています」

◆菅和範選手(栃木)
「自分はJ2の選手で選手会副会長を任せてもらっていますが、J2から見た意見を伝えることも役割の1つと思って参加させてもらっています。復興支援活動はサッカー選手としてだけではなく、1人の人として大切なこと。このチャリティー活動に参加してくれた選手たちの意識がそれぞれのクラブで広がっていくことを願っています。チャリティー活動は一過性ではなく、継続して取り組んでいかなければいけないと考えています」

◆鈴木隆雅選手(栃木)
「実家が宮城県松島なので、地元で支援活動をすることに責任を感じています。ふれあい活動の会場は、中学時代に試合をしていたグランドです。石巻には祖母の実家があるので何度か来ていますが、変わった部分とまったく変わってない部分があり複雑です。視察した被災地のもともとの光景を知っているので、初めて見た時は信じられませんでした。同じ東北出身の(小笠原)満男さんが積極的に支援に取り組んでいるので、僕も強い思いと責任を持ってチャリティー活動に参加したいと思います」

◆岡根直哉選手(栃木)
「栃木の選手会では福島で復興支援活動を行いましたが、Jヴィレッジなどの現状を見て、自分でできることをやらなければいけないと思いました。ふれあい活動では子どもたちと一緒にサッカーをしましたが、子どもたちが楽しんでくれたのでうれしかったですし、サッカーを通じたコミュニケーションの力を改めて知ることができました。微力ですが、選手だからこそできることもまだまだあると思いますので、これからもみんなで考えていきたいと思います」

◆山口慶選手(千葉)
「今日は石巻の被災地をバスから視察させていただいて震災の現状を知ることができました。石巻サッカー協会の本郷理事長にもお話を聞かせてもらって、まだまだ自分たちサッカー選手が発信できることがあると感じています。日頃、僕たちサッカー選手はそれぞれの地域にサポートしてもらっているので、復興支援という部分で返していければと思います。理事長のお話で、被災地には気持ちの部分で不安定な子どもたちが増えていると聞きました。僕たちが子どもたちと一緒にボールを追うことで、そういう心の部分をフォローできたらと考えています。サッカー選手の役割は試合だけではなく、ピッチの外にもあると教えてもらいました。選手会として今後も活動を続けていかなければいけないと思います」

◆井出遥也選手(千葉)
「震災後、初めて東北に来ましたが津波の被害場所を見て、改めて震災の現状を教えてもらいました。テレビで観るのとは違って、より現実として受け止めることができました。また被災した小学校を見て、震災のすさまじさを目の当たりにしました。選手会副会長の(山口)慶さんからいろいろな話を聞かせてもらっていましたが、先輩の背中を見ながら自分も復興支援活動に参加したいと思います」

◆我那覇和樹選手(讃岐)
「震災から3年半が経過してもいまだに復興していない現状を見て、非常にショックでしたし衝撃を受けました。自分たちサッカー選手が活動を続けていくことで、風化させないことができればと思います。僕らはピッチだけではなく、ピッチの外でも子どもたちに希望や勇気を届けていかなければいけないと強く感じました。被災地の1日も早い復興を願っています」

◆石井健太選手(讃岐)
「復興支援のチャリティーサッカーには以前からずっと参加させてほしいと思っていました。讃岐は被災地から遠く、シーズン中はなかなか来られないので、こういう機会に参加させてもらいました。被災地の現状はテレビで見る以上に心に感じるものがありました。想像を超える場所まで津波が来ていて言葉になりません。今回の状況をチームに戻ってみんなに報告して、クラブとして何ができるか考えていきたいと思います」

◆近藤貫太選手(愛媛)
「東日本大震災が起きてから被災地には来たことがなかったので、今後、支援活動に取り組む上で実際に自分の目で現地を確認したいと思い、チャリティーサッカーに参加させてもらいました。海沿いの平地に、びっしり住宅があったと聞いて、言葉が出ませんでした。仮設住宅で生活されている人たちは今も大変な思いで暮らしていると思います。チームメイトだけではなく友人などに広く伝えて、復興活動がさらに広がるお手伝いができればと思います」

◆風間宏矢選手(大分)
「初めての参加でしたが、先輩たちがどのような活動をしてきているのか知っておきたいという気持ちがありました。昨年、川崎フロンターレ時代に陸前高田へ行って現地の状況を知りました。あれから1年が経って、石巻でも復興が進んでいるかと思っていましたが、変わっていない状況を見て考えさせられました。僕はまだ何もできていないので大きなことは言えませんが、プレーを通じて、東北の皆さんのことを思っているという気持ちを伝えられればと思います。また先輩たちの活動を引き継いでいかなければいけないと感じました」

◆フェルナンジーニョ選手(鳥取)
「2010年の震災前に仙台でプレーしていたので、ブラジルで震災のニュースを聞いたときは本当にびっくりしました。津波の映像を見て、信じられなくて涙が出てきました。今回、選手会監事の岡本達也選手の話を聞いてぜひ参加したいと思い、ここへやってきました。東北でプレーさせてもらったので、今後も東北のために復興活動に協力していきたいと思います」

◆岡本達也選手(鳥取)
「選手会メンバーとして昨年から被災地に来ていますが、復興がまだまだ進んでいない現実を目の当たりにして、選手会としても個人としてもできることに取り組まなければいけないと感じています。現実を見ると復興が簡単ではないことがわかりますが、風化させないために情報も発信していかければならないと思います。この先、何十年かかるかわかりませんが、長いスパンで支援していく必要があると感じています」

※選手の所属クラブは、チャリティーサッカー参加発表時点のものです

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